玄翁を静かに置く

image0.jpeg お疲れ様です。26期生ナダルです。 同期が全員書いたら書こうと思ってたんですけど一向に書きやがらねえので、書く事にしました。 書く書く言ってて頭がおかしくなりそうですね。

なんか過去公演を振り返るのがトレンドらしいので、さっと書いてみました。

【至急デートの誘い方を教えて下さい】 AはBが好きなのでデートに誘った 【ぼくらの七日間戦争】 反抗期なので家出したが、負けた 【月並みばなし】 月に行く人の議論をしたが茶番だった 【あやかし】 トキサダは詐欺師なのでみんなを騙して死んだ。 【インソムニア】 コウは死んだサチが好きだったが、吹っ切れた。 【こそあどの森】 スキッパーに友達ができた。 【隗】 鬼と人が戦ったが和解した。 【鬼武者】 ナナシと時雨は宿敵なので戦い、時雨が死んだ。 【キタイ】 キタイとはキュウリの事だった。 【ラビリンス】 アリスは家族と不仲なので自殺したが勘違いだった 【新倫敦に天使はいない】 人が沢山死んだが、新倫敦には何の影響も無かった

まぁ、全部3行どころか1行で説明できてしまう… いやまあ、当時の自分を振り返るのがめんどくさかったのでストーリー纏めただけなのですが。完全にネタバレかつ無味乾燥。ははあ、情緒のかけらもねぇなあと思いつつも案外綺麗に凝縮出来てて満足感が多少あるような。

後は万で振り返ることがあるとすれば過去自分が書いた台本のことだろうか?

幻の2020TC公演「呪言」

コトホギと読みます。iPhoneでコトホギと打とうとすると何故か『言祝ぎ』じゃなくて『呪言』が出てくるんですよね。ミスなのか自分の知識不足なのかまぁそれはどうでも良くて、それがきっかけで書き始めた台本でした。 個人的には短くまとまっていて大好きな台本なのですが今改めて読むと演劇というより声劇向きな内容だなぁ。最早表に出る機会は無くなったのですが。

2021新入生歓迎公演「インソムニア」

眠り病の少年と不眠症の少女が出会う。というセカイ系にありそうな内容の台本でしたね。初っ端の主人公の台詞が

「━━━恥の多い生涯を送ってきました。わたくしは、今までの自分の積み重ねてきたはずの人生というものの価値が、皆目見当もつかないのです。昔っからそうなのです。今、親の金を食いつぶして大学などというものに通わせていただいては居るものの、学習意欲というものも等に尽き果てて、何をするでもなくだらだらと時間を消費する日々。卒業だけでもと思いつつも、やんぬるかな。生まれ持った性根というものはどうすることもできず、さりとてすべてを諦めて投げ捨ててしまうには両親の教育の賜物か、自責の念に押しつぶされてしまいそうになるのです。いいえ、きっとそんな上等なものではなくて、ただわたくしには度胸というものがないだけなのでしょう。というのも私は昔部活というものに憧れていた時期がございました。学校帰りに、グラウンドを走る運動部の方々の流す汗が夕日に輝いていたりするのがどうにも綺麗に映って、自分も部活動というものに参加することができたのならそのキラキラ光った世界の住人になれるのではないかと思いあがっていたのです。もちろんそんなはずはなくてただの勘違いというか、醜い願望でしかなかったのでしょう。ただ当時の自分はそんなこともわからなかったのでしょうね。一度、たったの一度の事でしたが彼らの輪の中に入っていこうとしたことがあるのです。いえ、これだけ見るとある意味勇気のある行動に見えなくもないのですが、むしろ飛び込むことができるのであればわたくしは永遠に勘違いすることができていたのかもしれません。そうわたくしはその時、結局最後の一歩を踏み出すことができなかったのです。今だって、その一歩を踏み出すことができていないのです。私以外のそこにいた人々すべての視線が私を貫くのです。他の人々がわたくしだけを完全な異物として怪訝な目を向けてくるのです。私はそれに気が付いた途端、強烈な羞恥に襲われました。ええそうです。結局のところわたくしが愚図だということがすべての原因なのでしょうね。でもね、ぼくだってああいうものに憧れてしまうのは無理からぬことだと思うのですよ。けれどねぇ……ふうん、はあ気持ち悪いですか、そうですかあはは、気持ち悪いですかそうですね僕なんかが皆さんと一緒にいようだなんておこがましいこと甚だしいといいますか、いやあ急に申し訳なくなってきましたね。僕なんかが、どうしてこんなことになっているのかがわかりな………

という馬鹿長い始まり方をする予定でした。 長すぎるので最初の3行くらいしか話してくれませんでしたね。コロナ禍の制限の中でできることを!と言う趣旨の台本だったので三密回避のため、舞台に同時に3人以上役者が居ないようにしたり、身体接触を極力減らしたりした思い出。

2022卒業公演「新倫敦に天使はいない」

本来なら、もっと少ない人数の台本のはずだったんですがね。同期に聞いてみたら、12人中10人役者をやるとか言い出したので、全員に見せ場を作るために随分と苦労しました。 また、そのせいか台本も随分と長くなってしまいランタイムを少しでも短くするため色々とセリフやシーンを削ることとなりました。 特に、自分が演じたコステロ(記者)は削りやすかったので比率で言えば一番出番が少なくなってるんですよね。その次に削ったのは侍で、その次が司教かな。

この公演も、長ゼリから始まります。 いや、好きなんですよめっちゃ長い語りからはいるのが。

因みに全文は

『────思うに、人間という生き物はなんと気色の悪いものじゃないだろうか。考えても見てほしい、醜悪な肉の塊から四本もの触手が飛びだして好き勝手動いている。その触手からそれぞれ五本だかの別の触手が生えていて、個体ごとに細いだの節くれだっているだの違いはあれど、ウジ虫みたいのがへばりついている。それだけでもおぞましいのに、その肉の塊には、大きなこぶまで生えている。背むしだとか、おできなんかとは比べ物にならないくらいの大きなこぶがね。他人はアレを『頭』って呼ぶんだっけ? esprit宿りし頭ってありがたがっている。要は脳みそとやらが詰まっているんだろう。灰色のぶよぶよしていて、きったないあれが。けどね、僕に言わせればあんなものは粉瘤に詰まった膿同然だね。いや、別にそれもいいんだ。汚いだとか、醜いだとかいろいろ言ったけどね、それに関しては僕の個人的な美的感覚のせいかもしれないしそれを他人に無理やり押し付けるっていうのは、いかがなものかと我ながら思うからね。僕だって腐っても英国紳士なわけだから、他者を尊重するべきだっていうのはそれはもう理解できているわけでね、世界を牽引する優性民族としての誇りは忘れていないつもりだよ。 ……うん。いかにもな事を言っちゃったなァ、最近ではこういうのは自粛するのがトレンドだってのに。本当に僕はどうしようもないね。とまれ、人ってのを気持ち悪く思うのは結局のところ僕の個人的な問題なわけでそれを他者に強要するつもりはないっていうのは本心なんだよ。さっきもいたとおりね。 ただ、それにしたって人間は気持ち悪いよ。見た目もそうだけど、何よりあいつらは泣いたり笑ったり怒ったりするじゃないか。ずうっと真顔ならそこまで気色悪くないだろうにさ、にこにこ笑ってたりしおらしく泣いたりするじゃないか。ああいう風に表情がくるくる変わるのは気味が悪くて仕方がないよ。ああ、動いても欲しくない、あんなに気味の悪い物体が自分の足で歩いたり移動したりしているのを想像するだけでも怖気が走るよ。 いっそ、人形みたいに動かなければ多少はましなのにね。』

となっております。 長かったので随分と削りました。

あと他に何を振り返ろうか…

今までに作った武器達だろうか。 なんか数えてみたら大体50本くらいあったわ 作ったねぇ。 実は名前ついてる奴とかあったりしたけど、我ながら恥ずかしいことをしているな。いや、めっちゃ愛着はあるけどね。

ただ、もうこれから武器作ることも無いかと思うと少し寂しい。さて、今後も万で小道具を作っていくのだろうけど、果たして自分を超えるものが現れるのか…

現れないだろうなぁ

なんせ自分は

『小道具を作るのを手伝う神』

なのだから。最近は『貸してみ、おじさん』て呼ばれる方が多かったけどな。

とまれ、玄翁や鑢やその他諸々を置いて養生すると致しましょうか。

スポットを浴びる事も

玄翁を振るう事も

グルーガンを絞る事も

暫くは、もしかしたら一生無いのかも知れません。 けれど、この4年間は楽しかった。 それだけで今は十分と

こう締め括るのが自分らしいのでは無いでしょうか。

それでは皆様お疲れ様でした。